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「アロハで田植え、はじめました」(著 近藤康太郎氏)
会社員の生活をメインにしつつ、「自分の食い扶持(直喩)は自分で確保する」をテーマに1日1時間農業を行う 生活を描いたノンフィクション作品です。
この一冊を読むことで自分の人生の在り方や社会構造と自分自身の関わり方という部分を考え直すきっかけになりました。
※以下、若干のネタバレを含みます
筆者は大手の新聞記者。
記者としてライターの仕事にやりがいを感じています。
しかし、ただ生活防衛ラインのお米に関しては自分で作って確保する生活をしましょうよ。と言う考え方があり田舎に移住します。
そこで、田舎に移住し時間の大半はライターの仕事に投入しつつ、1日1時間は田んぼでの米作りから自分自身が1年食べる分のお米は確保するという挑戦がスタートします。
世の中では半農半Xであったり、兼業農家が紹介されることが多いですが、本作ではあくまで会社員をメイン&農業は1日1時間 という生活が描かれており農業を描く作品としては珍しい内容となっています。
本作品は農業を行う描写から
・米作りの師匠との出会い&ご指導
・田舎(農家)社会での人との関わり
・都会側(会社員側)の世界からの人とのつながり
などの描写が筆者目線(元々都会側の人間目線)から描かれており、それぞれの社会の違いを新鮮な気持ちで知ることができます。
読んだ感想
私が本作品を読んで感じたことを書きます。
・「働くために生きる(ライター業)、生きるために働く(農業)」を上手く両立していてうらやましく感じました。
╚「働くために生きる」は社畜と言う意味ではなく、その仕事に自分の人生の生きがいを持っているという意味です。筆者はライター業に生きがいを持っており、仕事が自身の人生そのものであるというように感じます。それだけでなく「生きるために働く」も実践しています(農業で食い扶持を確保する)。
これは本業に安心して取り組むための後ろ盾を確保するという人生の戦略にも映りました。
・他の人の価値観を知ったうえで否定せずに、自分の価値観をしっかり持ち人生を歩む のはかっこいい&参考になるなと思いました。
╚周りの人の価値観を否定しないことは「自分の価値観が間違いであると気付いた時に、価値観の修正ができる(≒逃げることができる)」と思ったからです。
自身の価値観を持つことは大事ですが、後から知った情報とか様々な経験から「あれ?こっちの方が正しいのでは」となることもあると思います。
そんな時に自分の考え方を変えることができるのは、それまで自分以外の考えを排除しなかった場合だと思います。
仮に他の価値観を排除して生きてきた場合は「その考え方はありえない、もうこれまでの自分の考え方で突き進むしかない」となってしまうからです。
(ちなみに私が「逃げ」と言うワードを比較的肯定的な意味で捉えているのはある漫画のキャラのセリフ「生きるための逃げはありです」からきています)
・各場面で対比の内容を紹介した上でどちらかを否定せず、その上で自分の主張を書いておりバランス感があることからとても読みやすい
╚このブログ記事を書きながら気づきました。
本作品は「対比が生じる様々な場面でそれぞれの主張(価値観)を紹介し、その上で一方を認めながら自分の主張について述べる」場面が多くあります。
この書き方は読み手にとって読みやすい構築になっており、本作品の大きなストロングポイントかなと思います。
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